バンドワゴン効果は、ある選択に対して指示する人が多ければ多いほど正しい選択だと思いこんでしまう心理現象です。
選挙やビジネスシーンでも用いられることがあるため、非常に身近な心理現象だと言えます。
今回は、そんなバンドワゴン効果の意味や活用されるシーンについてご紹介しましょう。
目次
バンドワゴンの意味

パレードの楽隊車を意味するバンドワゴン
バンドワゴン効果は行動心理学で使われる用語の1つで、ある選択に対して指示する人が多いほど正しい選択だと認識してしまう心理現象を意味します。
群衆倫理における同調現象の1つでもあり、ハーヴェイ・ライペンシュタインというアメリカの経済学者によって提唱されました。
パレードの先頭を進む楽隊車のことをバンドワゴンと言い、「バンドワゴンに乗る」という言葉は時流に乗ることや勝ち馬に乗ることを表しているのです。
行動心理学以外でも、経済学や政治学、社会学でも使われることがあります。
なぜバンドワゴン効果が表れるのか?
バンドワゴン効果が表れるのは、「流行に乗り遅れないようにしたい」「周りと同じでいたい」という心理が働いているためです。
飲食店に入る時も、空いているお店よりもわざわざ混んでいるお店を選んだり、行列ができている店を見れば「今度来てみよう」と思ったりすることは誰にでもあるでしょう。
これはバンドワゴン効果によるもので、「多くの人が選んでいるお店だから良いお店だ」と無意識に判断しているのです。
これはファッションの流行にも同じことが言えます。
「流行に乗り遅れないようにしたい」という心理が働き、同じようなコーディネートをする人が増えていくことで流行が生まれるのです。
日本人は帰属意識が強い?弱い?
日本人は、他の国の人よりも帰属意識が強いと言われています。
日本人は自分たちを基準にして物事を考えているため、髪の色は黒でなければいけない、外国人とはなかなか仲良くなれないといったような固定概念を持つ人は少なくありません。
外国では、黒髪でなければ就職ができないと言ってしまうと、反発する人も多くなるはずです。
しかし日本は、黒髪が当たり前だと考えられているので、誰も疑問視しません。
このような考え方は、帰属意識の強さから生まれます。
日本は島国であるため、物理的、言語的、精神的に他の国から離れています。
そのため、日本という国に対する帰属意識が強くなっているのでしょう。
ビジネスシーンで見られるバンドワゴン効果

行列に並びたくなる心理はバンドワゴン効果から来るもの
商店街などで行列ができているお店を見ると、「人気のお店かな?今度寄ってみよう」と思う人も多いのではないでしょうか?
これはバンドワゴン効果によるもので、行列が行列を呼ぶのはある意味必然的なことなのです。
もちろん行列ができているお店の商品やサービスの質が良いというのは前提条件になります。
自分自身がお店を開業するのであれば、商品やサービスの質を向上させることが最も重要な課題となるでしょう。
本屋で見られる平積み本
全国各地にたくさんある本屋でもバンドワゴン効果と活用した戦略を行っています。
それが、平積み本です。
本屋では、多くの本が平積みされている光景を目にします。
平積みになっている本に“話題の1冊です!”などの文言が添えてあると、「この本、面白そうだな」と感じてもらえるのです。
しかし、いつまでも同じ本が平積みされていると売れていないという印象を与えかねないので注意しなければいけません。
SNSを活用したバズマーケティングも一種のバンドワゴン効果
バンドワゴン効果は、SNSでも活用できることを知っていますか?
ここでいうSNSには、TwitterやFacebook、YouTubeなどが当てはまります。
これらのSNSでバズる(インターネット上で爆発的にヒットし、多くの人が話題にすること)と、バズった商品やサービスの注目度はかなり高まるのです。
バズった商品やサービスは、多くのユーザーが支持していることも意味するので、バンドワゴン効果の一種だと言えるでしょう。
また、フォロワーの数もバンドワゴン効果が影響しています。
フォロワーの数が多ければ多いほど、たくさんの人から支持されている有力な人だという印象を与えられるためです。
マーケティングで活用するには?

宣伝に「人気」「話題」などの言葉を取り入れる
宣伝のためのキャッチコピーに、「人気の○○」とか「SNSで話題の○○」といったような言葉を取り入れることでバンドワゴン効果が働きます。
このようなキャッチコピーを目にしたことがあるという人もたくさんいるでしょう。
特に最近は、SNSでインフルエンサーと呼ばれる人が商品の宣伝をするケースも増えているので、「人気の○○」とか「SNSで話題の○○」といったような言葉を活用する意味は大きいと言えます。
SNSで商品の宣伝をしているインフルエンサーのフォロワー数はとても多く、投稿に対する「いいね」もたくさんついているため、それを目にした人は商品に対して興味を持ちやすくなるのです。
SNSがマーケティングの戦略に組み込まれつつある今だからこそ、バンドワゴン効果が働くキャッチコピー作りはとても重要になると考えられています。
口コミ・レビューを取り入れる
口コミやレビューも商品を宣伝するためにとても大きな意味を持ちます。
雑誌に商品を掲載する際に話題性のあるモデルや女優を起用し、特集を組めばそれだけで注目が集まるでしょう。
そして、「あの○○が来ていたトップスが今年の流行になるらしい」とか「今年のトレンドカラーがあの雑誌に載っていたからコーディネートに取り入れないといけない」というように話題になっていくのです。
女性は特に流行に敏感なので、流行は口コミでどんどん広まっていきます。
口コミによるバンドワゴン効果も期待できるので、口コミやレビューもマーケティングに活用されることが多いです。
さらに、「ここだけの話」という言葉を入れることで、バンドワゴン効果の影響から情報がどんどん広がりやすくなります。
口コミやレビューには良くないものもありますが、良いものもたくさんあるので、それをうまく活用して商品やサービスの宣伝を行うケースも少なくありません。
SEO対策を取り入れる
多くの人は、新商品に関する情報をインターネットで集めています。
これは、2015年にニールセンによって行われた「Nielsen Global New Product Innovation Survey」という調査でもハッキリと結果が出ているものです。
この調査によると、新商品に関する情報をインターネットで検索する人は68%、実際に店頭で見る人が67%、テレビ広告で知る人が50%、友人や家族の口コミで知る人が40%という結果でした。
この結果からも、インターネットを活用して情報収集をする人がかなり多いことが分かります。
したがって、インターネットで効率良く新商品の宣伝をするためには、SEO対策が重要になってくるでしょう。
SEO対策は、検索された時に商品紹介ページや商品を手掛けている会社のホームページなどが上位に表示されるようにするために行われるため、インターネットが普及している今だからこそ重要視すべきだと言えます。
SEO対策の中にバンドワゴン効果を組み込むこともできるため、より効果的な宣伝を実現することができるでしょう。
まとめ
バンドワゴン効果は、ある選択に対して指示する人が多ければ多いほど正しい選択だと思いこんでしまう心理現象のことです。
この心理現象は、マーケティングでも有効活用することができます。
「流行に乗り遅れないようにしたい」「周りと同じでいたい」という心理が働くことによって生まれるバンドワゴン効果は、お店や商品を選ぶ時に強く働く傾向があります。
混んでいるお店や多くの人が身に付けている商品が気になるという人が多いのはこのためです。
SNSへの投稿や口コミなどでもバンドワゴン効果は発揮されるので、活用するケースも多くなっています。
バンドワゴン効果は様々な場面で活用でき、マーケティングで上手く活用すれば売上アップにつながるでしょう。